オリゴ糖の効能とは?種類や特徴を比較‐注意点と効果的な摂り方も解説 おなかにやさしく腸活しよう‐

ストレスや偏った食生活、睡眠不足などの生活習慣で現代人の腸内環境は乱れがち。そういった中で、美容や健康のために腸内環境を整える活動「腸活」が話題です。

最近ではこの「腸活」を促す効果をもつ「オリゴ糖」に注目が集まり、数多くの商品がメーカーから発売されています。

しかしオリゴ糖には、様々な種類があり、価格も幅広く展開されているので、

「どのオリゴ糖を選べばいいか分からない。。」

とお悩みの方は多いはず。

この記事では、オリゴ糖の種類によって異なる効能、甘み、カロリーなど様々な違いを分かりやすくまとめています。違いを知って、自分の食生活に生かしやすいオリゴ糖の種類を選んでみましょう。

オリゴ糖とは

どのようなものがオリゴ糖と呼ばれるのでしょうか。

そもそも、糖質には大きく分けて3種類があります。

・最も小さい単位でできているブドウ糖や果糖などの「単糖類」。

・単糖が2~10個結びついたショ糖・麦芽糖・乳糖などの「オリゴ糖」(少糖類とも呼ばれる)

・単糖が数十~数千個つながったデンプン、ペクチン、セルロースなどを「多糖類」

単糖が2~3個結びついた少糖類をオリゴ糖という

このうちの1種、少ない数の単糖が結合し少糖類がオリゴ糖とよばれています。

幅広い意味合いを持つ「オリゴ糖」ですが、実際のところ明確な定義はなく、一般的には3つ以上の糖が結合したものをオリゴ糖と呼ぶ場合が多いようです。

なぜこの少糖類のことを「オリゴ糖」と呼ぶのか、それはギリシャ語で「オリゴ」は「少ない」という意味をもつからだそう。

天然食品のみでは、健康機能を期待できるほどの量を摂取することは難しいオリゴ糖ですが、最近では、シロップタイプや粉末に加工され、機能性が表示された特定保健用食品として数多「オリゴ糖食品」市場に展開されています。

オリゴ糖の特徴

血糖値の上昇がゆるやか

オリゴ糖には原料や特徴の異なるおよそ20種類があります。
一概にオリゴ糖といっても、小腸内で消化されるものと、されないもの、あるいは消化され難い性質があります。

多くのオリゴ糖は、腸ではそのまま消化・吸収できない「難消化性」であるため、エネルギーになりにくく、お砂糖よりも低カロリー。血糖値の上昇をゆるやかにします。そのため一般的に「腸活」に用いられるオリゴ糖は、難消化性の機能性オリゴ糖のことを指します。

おなかの調子を整える

難消化性のオリゴ糖は胃酸や消化酵素で分解されずに、大腸まで届きます。腸内に届くと、ビフィズス菌などの善玉菌のエサ(栄養源)となって、その増殖を促進します。腸内の善玉菌が優勢になることで、悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境が良好に整い、便秘や肌荒れの改善を促します。

さらには、善玉菌が優位になることで免疫力が向上したり、アレルギーの予防にも効果があると言われています。

ミネラルを吸収促進する

オリゴ糖の働きによってビフィズス菌が増加することで、腸内では酢酸・プロピオン酸などの「有機酸」が生み出されます。腸内環境が有機酸によって弱酸性に傾くと、カルシウムなどのミネラルが溶けやすい状態になり、吸収されやすくなります。オリゴ糖はビフィズス菌のエサになることで、間接的に体内へのミネラルの吸収を促すのです。

虫歯の原因になりにくい

お砂糖の代わりにも使われるオリゴ糖ですが、実は虫歯の原因になりにくい糖質としても注目されています。
虫歯の原因菌「ミュータンス」は、糖質を栄養分として酸を出し、歯を溶かします。


オリゴ糖は、糖質でありながら虫歯の原因菌ミュータンスが、栄養分としてほとんど利用することができない成分です。そのため、虫歯の原因になりにくいとして、お菓子や健康食品などに使用されています。

オリゴ糖の種類

市販されているオリゴ糖の代表的な種類は以下の通りです。

甘味度は砂糖と比較した際のおよその数値です。

消化性 種類 甘味度 原料 味の特徴
一部難消化性 イソマルトオリゴ糖 約40~50% デンプン まろやかで旨味のある甘味
難消化性 ガラクトオリゴ糖 約25~35% 乳糖 くせのない甘み。甘みは少ない。
フラクトオリゴ糖 約30~60% 砂糖 砂糖に似た甘み。
乳果オリゴ糖(ラクトスクロース) 約55~80% 砂糖・乳糖 砂糖に似た甘み。
大豆オリゴ糖 約50~80% 大豆 砂糖に似た甘み。
キシロオリゴ糖 約20~50% とうもろこしの芯 特有の甘味。
ラフィノースオリゴ糖(ビートオリゴ糖) 約20% 甜菜 味を変えない。
ラクチュロースオリゴ糖(ミルクオリゴ糖) 約50~60% 乳糖 砂糖の半分の甘さ。匂いはない。

イソマルトオリゴ糖

生産量が多いイソマルトオリゴ糖は、味噌,醤油などの発酵食品や蜂蜜にも含まれるオリゴ糖です。まろやかでうまみのある甘みが特徴で、オリゴ糖の中ではカロリーはやや高め。保水力が高く、食品の老化抑制にも役立つと言われています。
ただし、「イソマルトオリゴ糖」は、消化されやすいオリゴ糖のため、整腸作用は他のオリゴ糖よりは劣ると言われています。

ガラクトオリゴ糖

さわやかな味で、甘さは控えめ。熱・酸安定性に優れ、調理や保存中に構造が壊れたりせず、性質の変化が少ないことも特長で、健康指向の食品素材として幅広く利用されています。ビフィズス菌増殖による整腸作用や便秘の改善とともに、たんぱくの吸収促進、ミネラルの吸収にも効果が期待できると言われています。

フラクトオリゴ糖

バナナやアスパラ、玉ねぎ、ニンニク、ごぼうなどの野菜に多く含まれます。 甘さは控えめながら、砂糖に近い味が特徴で、虫歯になりにくいオリゴ糖とも言われています。消化されにくい難消化性のオリゴ糖のため、しっかりと大腸に届いてビフィズス菌の増殖・ミネラルの吸収促進・整腸機能などの効果が期待できます。

乳果オリゴ糖(乳糖果糖オリゴ糖、ラクトスクロース)

砂糖のおいしさに最も近く、くせのない上品な味と甘みの強さが特徴です。虫歯になりにくく、下痢を発生しにくいオリゴ糖であることが確認されています。また、ビフィズス菌を選択的に増加させ悪玉菌を減少させる働きがあり、オリゴ糖の中でもビフィズス菌の増殖作用が高いといえます。
砂糖と同じレベルで耐熱・耐酸性があるため、砂糖のと置き換えて食品加工に使用することも可能です。

大豆オリゴ糖

味噌、醤油、豆乳、納豆、豆腐等の大豆製品に多く含まれる大豆オリゴ糖。甘味はオリゴ糖の中でも強い方で、砂糖に似た風味を持つため、利用しやすいオリゴ糖と言えるでしょう。大豆を原料として精製されているスタキオースやラフィノースといった単糖で構成されているおり、熱や酸に強く、少量でも善玉菌を増やす効果があります。

キシロオリゴ糖

熱や酸に非常に強く、製造工程や製品中での安定性に優れる。他のオリゴ糖よりも高い難消化性で、少量の摂取で整腸効果が期待できるオリゴ糖と言われてます。便秘に悩む方や、カロリーを気にされる方におすすめです。自然界ではタケノコなどにも少量含有されています。

ラフィノースオリゴ糖(ビートオリゴ糖)

爽やかな味と控えめな甘さが特徴です。野菜ではキャベツ、アスパラガスなどに含まれてるオリゴ糖です。ビート(甜菜)の天然の糖蜜から抽出・精製されているため、ビートオリゴ糖とも呼ばれています。
酸や熱に強く、料理に使用するのに適しています。

ラクチュロースオリゴ糖(ミルクオリゴ糖)

オリゴ糖のなかでもヒトの胃酸に強く、効率良くビフィズス菌を増やす効果があると言われています。
カルシウムやマグネシウムと一緒に摂取すると、それらの吸収を促進させる効果もあり、骨の強さが増して、骨粗鬆症の予防につながると期待されています。
さらに、ラクチュロースは高アンモニア血症の症状緩和の機能性もあり、腸内の悪玉菌を減らし、アンモニアの発生を減らすと同時に体内に吸収しにくくする働きがあります。この働きから、アンモニアが解毒できずに起こる肝臓病、高アンモニア血症の治療薬にも利用されています。
ただし、ラクチュロースの原料である「乳糖」は人の小腸ではそのまま吸収することができません。「乳糖」を分解して吸収する為には、「ラクターゼ」という乳糖分解酵素が働く必要があります。この「ラクターゼ」が正常に働かない場合、乳糖はそのまま大腸へと到達し下痢を引き起こすことになります。つまり、「牛乳を飲むとお腹がゆるくなる」(乳糖不耐症)という人には不向きなオリゴ糖と言えます。

オリゴ糖を摂るときの注意点

摂り過ぎには気を付けよう

腸内環境を整える効果を持つオリゴ糖ですが、摂取量には気を付けなければなりません。過剰に摂取するとお腹がゆるくなったり張ったりすることもあるので注意しましょう。メーカーの推奨する一日の摂取量を確認し、上手く生活に取り入れていきましょう。

また、オリゴ糖食品は、商品ごとにオリゴ糖の含有量が異なります。ほとんどのオリゴ糖食品には、オリゴ糖のほかに砂糖や、ブドウ糖等の他の糖類が含まれています。お砂糖よりもカロリーは低いといっても、カロリーはゼロではありません。ダイエット中の方やカロリー制限をしている方は摂り過ぎには注意しましょう。

強い効果を期待する方はできるだけオリゴ糖の純度が高いものを選びましょう。購入の際には、食品表示のオリゴ糖の種類、オリゴ糖の含有量、一日の摂取目安、カロリーをよく見て確認することが大切です。最近では続々とオリゴ糖食品が展開されているので、様々なタイプを試してご自身の身体に合う商品を見つけてみましょう。

赤ちゃんへ与える場合は細心の注意を

赤ちゃんの便秘解消にオリゴ糖を与えたいなら、赤ちゃん向けに製造されたオリゴ糖食品を選びましょう。

人の母乳にはヒトミルクオリゴ糖というオリゴ糖が含まれています。しかし、オリゴ糖食品として売られている商品の多くは赤ちゃんに与えることを想定して作られていません。特にシロップタイプは離乳食用の加熱殺菌をしていない場合が多く、1歳未満の乳児に食べさせることはできません。1歳を過ぎたら与えても問題はありませんが、おなかがゆるくなることがありますので、少量から試してみましょう。

オリゴ糖の効果的な摂り方

オリゴ糖は毎日摂ろう

オリゴ糖は摂取後すぐに効果が発揮されるものではありません。おなかの中の善玉菌を増やすには、じっくりと長く続けて効果を待ちましょう。

シロップ・粉末 続けやすいタイプを選ぼう

シロップは普段の食事に活用できる便利なタイプです。ドリンクや、ヨーグルト、パンにそのままかけてもおいしくいただけます。お料理にも砂糖の代替品として最適です。加熱しても効果や味は基本的に変わりませんが、長時間煮込む料理の場合は、オリゴ糖が消化吸収されやすい糖に分解される可能性があります。このような料理は、大方でき上がってから、最後にオリゴ糖で味を整えましょう。

甘いものが苦手な方、効率的にオリゴ糖を摂取したい方は、甘みがほとんどない粉末状のタイプがおすすめです。粉末タイプはオリゴ糖含有率97%~と高濃度に凝縮されているため、少しの量で腸内環境の改善が期待できます。さらに商品は少ないですが、錠剤タイプもありますので、それぞれの特徴を理解した上で、自分の生活に合った続けやすいものを選びましょう。

まとめ オリゴ糖でおなかにやさしい腸活を

オリゴ糖は腸内のビフィズス菌を増殖させ、善玉菌が優勢になりやすい状態に改善するうれしい成分です。「難消化性」であるため、血糖値の上昇がゆるやかで、お砂糖よりも低カロリーであることが特徴。その他、ミネラルの吸収を促進したり、虫歯の原因になりにくい糖質であることも明らかになっています。

しかし、いくらオリゴ糖を取り入れたからと言っても、乱れた生活を送っていれば健康的な身体づくりには結びつきません。不規則な生活を避け、栄養バランスのよい食事を積極的に取りいれることが大切です。そのうえで、オリゴ糖を毎日の生活に取り入れ、腸内バランスを整えていきましょう。

参考

オリゴ糖 | 成分情報 | わかさの秘密 (wakasa.jp)

オリゴ糖の種類と効能~オススメの使い方やデメリットも解説~ | H2株式会社 (health2sync.com)

2/2 オリゴ糖って何だろう? その種類と特徴 [食と健康] All About

まいにち乳life|ラクチュロース|森永乳業株式会社 (morinagamilk.co.jp)

オリゴ糖の甘味度とカロリー (coolxcfarm.com)

《食品技術を学ぶ》機能性オリゴ糖の基礎知識 [主な機能と種類、特保/機能性食品の利用例など] | アイアール技術者教育研究所 | 製造業エンジニア・研究開発者のための研修/教育ソリューション (engineer-education.com)

大豆オリゴ糖/オリゴ糖|腸内細菌と健康/腸内フローラを育てよう! (yuruota.main.jp)

オリゴ糖の豊富な種類やそれぞれの効果・効能について徹底解説!|PREZO(プレゾ) – 北海道の豊かな恵みを産地直送

血糖値低下?てんさいから取れるビートオリゴ糖(ラフィノース)とは (recawa.jp)

ビート、フラクト、ガラクト… オリゴ糖の“違い”を解説! | ニチガプラス (nichiga-plus.jp)

オリゴメイト(ガラクトオリゴ糖)|ヤクルト薬品工業株式会社 (yakult.co.jp)

商品・製品紹介 乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)の詳細データ (oligo.jp)

生物工学会誌 第97巻 第3号 続・生物工学基礎講座―バイオよもやま話― (sbj.or.jp)

オリゴ糖の種類 | 『オリゴ糖』徹底比較ガイド (oligo-guide.com)

牛乳を飲むとお腹をくだす「大人の」乳糖不耐症/株式会社フローラボ【公式サイト】 (flolabo.co.jp)

実はすごい!オリゴ糖の知られざる効果6選 | 新谷酵素公式通販 (shinyakoso.com)

https://www.pearlace.co.jp/know-and-fun/tips/post-42.html

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-003.html

てんさいオリゴシリーズに金のオリゴが新登場! | サクラ印はちみつ | 加藤美蜂園本舗 (sakura-honey.co.jp)

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